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    イントロダクション
    いつか夢にくらい少しは顔をだしてくれたら…
    息子を思う母、母を思う息子、そして祖父
    お互いの距離を測り直していく、親子3代にわたる物語
    四国山脈に囲まれた高知県、四万十川のほとりに暮らす一家の人々。祖父の住む家で余命を送る決意をした母、それに寄り添う息子ノロ。嘘が真で闊歩する現世を憂うノロマなノロは、近づく母の死を受け入れられず徘徊している――。土地に刻まれた時間の痕跡と、幽かな生と確かな死。これは若くして両親を亡くし、高知県で祖父と暮らす監督自身の現在を半ば投影した、親子3代にわたる時間と、その時間の境界線を飛び越えた触れ合いの、そしてそれでも触れることのできない残酷な距離の物語である。
    青山真治監督に見出された才能
    映画監督でミュージシャンでもある甫木元空の最新作
    監督は、『EUREKA ユリイカ』のプロデューサー・仙頭武則と監督・青山真治によってプロデュースされた『はるねこ』(16)で長編映画デビューした甫木元空。甫木元は『はるねこ』の生演奏上映をきっかけに結成したバンド「ビアリストックス」としても活動しており、本作の音楽も手がけている。主演に昨年公開の映画『うみべの女の子』やNHKドラマ『きれいのくに』、NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』など話題作への出演が相次ぐ青木柚。さらに、俳優のみならず監督、小説家でもある唯野未歩子、シンガーソングライターで俳優としても活躍している前野健太が出演。前作に続き、仙頭がプロデュースし、これからの日本映画を背負う若きスタッフたちに混じって、青山組の音響担当として『EUREKA ユリイカ』以降のほぼすべての作品を手がけてきた菊池信之が参加。死者と生者が同居する世界の音をわれわれの世界に届けてくれる。
    監督
    監督:甫木元 空ほきもと・そら
    1992年、埼玉県生まれ。多摩美術大学映像演劇学科卒業。2016年青山真治・仙頭武則共同プロデュース、監督・脚本・音楽を務めた『はるねこ』で長編映画デビュー。第46回ロッテルダム国際映画祭コンペティション部門出品、ほかイタリア、ニューヨークなどの複数の映画祭に招待された。2019年にはバンド「Bialystocks」を結成。映画による表現をベースに、音楽制作などジャンルにとらわれない横断的な活動を続ける。現在、高知県四万十町在住。
    Bialystocks | ビアリストックス
    2019 年、ボーカル甫木元空監督作品、青山真治プロデュースの映画『はるねこ』生演奏上映をきっかけに結成。 ソウルフルで伸びやかな歌声で歌われるフォーキーで温かみのあるメロディーと、ジャズをベースに持ちながら自由にジャンルを横断する楽器陣の組み合わせは、普遍的であると同時に先鋭的と評される。 2021 年 1st Album 『ビアリストックス』 発表。同年METROCKに出演が決定。収録曲「I Don't Have a Pen」はNTTドコモが展開する「Quadratic Playground」のWEB CMソングに選出されている。 2022年1月には初の全国流通盤1st EP『Tide Pool』をリリース、同年4月には初のドラマ主題歌となるテレビ東京系ドラマ25「先生のおとりよせ」エンディングテーマ「差し色」を発表。
    キャスト
    青木 柚あおき・ゆず
    2001年生まれ、神奈川県出身。2016 年に映画『14 の夜』(足立紳監督)で映画デビュー。『アイスと雨音』(18/松居大悟監督)、『暁闇』(19/阿部はりか監督)、『サクリファイス』(20/壷井濯監督)、『うみべの女の子』(21/ウエダアツシ監督)、『MINAMATA-ミナマタ-』(21/アンドリュー・レヴィタス監督)などに出演。TV ドラマ『きれいのくに』(21/NHK)、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(21/NHK)ほか話題作への出演が続いている。22年は、『グッバイ・クルエル・ワールド』(大森立嗣監督)、『よだかの片思い』(安川有果監督)、Disney+『すべて忘れてしまうから』、Amazon Original『モアザンワーズ』などが公開。今後も、『まなみ100%』(川北ゆめき監督)、『神回』(中村貴一朗監督)ほか待機作が続く。
    唯野 未歩子ただの・みあこ
    1973年生まれ、東京都出身。武蔵野美術短期大学でグラフィックデザインを学び、卒業後、自主映画にかかわる。また、多摩美術大学で映画制作を学び、在学中に映画『フレンチドレッシング』(98/斉藤久志監督)で女優デビュー、毎日映画コンクール新人賞を受賞。2005年、『三年身籠る』で長編劇映画監督・脚本家デビュー、高崎映画祭若手監督グランプリを受賞。同時に同名の小説で作家としてもデビューを果たす。主な映画出演作に、『大いなる幻影』(99/黒沢清監督)、『さゞなみ』(02/長尾直樹監督)、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(13/古厩智之監督)、『劇場版「きのう何食べた?」』(21/中江和仁監督)などがある。配信ドラマParavi『それ忘れてくださいって言いましたけど。』にも出演。著書に、『正直な娘』(マガジンハウス刊)、『100万分の1回のねこ』(講談社刊)、『彼女たちがやったこと』(筑摩書房刊)などがある。
    前野 健太まえの・けんた
    1979年生まれ、埼玉県出身。シンガーソングライターとして、2007年にファーストアルバム『ロマンスカー』を発表。ライヴ活動を精力的に行い、「FUJI ROCK FESTIVAL」「SUMMER SONIC」など音楽フェスへの出演を重ねる。俳優活動においては、主演映画『ライブテープ』(09/松江哲明監督)が第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞。大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(19/NHK)ほか、TVドラマ、CM、映画、舞台に出演。エッセイ集『百年後』(スタンド・ブックス)を刊行するなど、文筆活動にもファンが多く、他アーティストへの楽曲・歌詞提供も行う。4/6には7枚目のアルバム『ワイチャイ』を発売。収録曲『戦争が夏でよかった』のオフィシャルビデオは甫木元空監督が手がけている。
    甫木元 尊英ほきもと・たかひで
    1932年生まれ、高知県出身
    スタッフ
    撮影:米倉 伸よねくら・しん
    1992年生まれ、京都造形芸術大学 映画学科出身。近年手がけた作品に、『ロストベイベーロスト』(20/柘植勇人監督)、『朝の夢』(20/池添俊監督)、『彼女来来』(21/山西竜矢監督)、『生まれゆく日々』(22/山西竜矢監督)がある。
    照明:平谷 里紗ひらや・りさ
    1998年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部卒業。現在はフリーランスの照明部として映画・ドラマ等に参加している。
    現場録音:川上 拓也かわかみ・たくや
    映画美学校修了後、フリーの録音・編集として活動。録音担当作に『風の波紋』(16/小林茂監督)、『パラダイス・ロスト』(19/福間健二監督)、『マイ・ラブ:6つの愛の物語 日本篇 絹子と春平』(21/戸田ひかる監督)、『百年と希望』(22/西原孝至監督)、『重力の光:祈りの記録篇』(22/石原海監督)など。整音担当作に『息の跡』(16/小森はるか監督)、『春を告げる町』(19/島田隆一監督)、『オキナワ サントス』(20/松林要樹監督)、『帆花』(22/國友勇吾監督)など。編集担当作に『台湾萬歳』(17/酒井充子監督)、『アイヌ・ネノアン・アイヌ』(21/ラウラ・リヴェラーニ&空音央監督)などがある。
    音響:菊池 信之きくち・のぶゆき
    1945年生まれ。69年より小川プロダクションに所属。ドキュメンタリーと並行して劇映画の仕事も多数。 代表作に、『ニッポン国古屋敷村』(82/小川紳介監督)、『M/OTHER』(99/諏訪敦彦監督)、『SELF AND OTHERS』(01/佐藤真監督)、『チーズうじ虫』(05/加藤治代監督)、『神童』(07/萩生田宏治監督)、『長江に生きる』(07/フォン・イェン監督)、『私は猫ストーカー』(09 /鈴木卓爾監督)、『祝の島』(10/綾瀬あや監督)、『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)、『夏の終わり』(13/熊切和嘉監督)、『ドライブイン蒲生』(14/たむらまさき監督)、『海のふた』(15/豊島圭介監督)、『風の波紋』(15/小林茂監督)、『海辺の生と死』(17/越川道夫監督)、『牧師といのちの崖』(18/加瀬澤充監督)、『ライク・サムワン・イン・ラブ』(12/アッバス・キアロスタミ監督)、『のぼる小寺さん』(20/古厩智之監督)などがある。青山真治監督作品は『EUREKA ユリイカ』(00)以降のほぼ全作を手がけている。甫木元作品は、『はるねこ』(16)に続き2作目。
    助監督:滝野 弘仁たきの・ひろひと
    1984年生まれ。石川県出身。大学在学中より、スタッフとして多くの映画に参加。その後、監督作『もしかしたらバイバイ!』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012など国内外の映画祭で入選。近年では短編作品が水戸短編映像祭や仙台短編映画祭などで上映される。助監督としても多数の作品に参加しており、主な映画に『恋するけだもの』(20/白石晃士監督)、『かそけきサンカヨウ』(21/今泉力哉監督)、『ムーンライト・シャドウ』(21/エドモンド・ヨウ監督)などがある。
    プロデューサー:仙頭 武則せんとう・たけのり
    1961年生まれ。カンヌ国際映画祭『萌の朱雀』(97/河瀨直美監督)、『M/OTHER』(99/諏訪敦彦監督)、『EUREKA ユリイカ』(00/青山真治監督)、『UNLOVED』(01/万田邦敏監督)の4作が受賞、ベルリン国際映画祭『独立少年合唱団』(00/緒方明監督)、ロカルノ国際映画祭『豚の報い』(98/崔洋一監督)、バンクーバー国際映画祭『この窓は君のもの』(94/古厩智之監督)グランプリ(タイガー&ドラゴンアワード)、ロッテルダム国際映画祭『まぶだち』(01/古厩智之監督)がグランプリ(タイガーアワード)を受賞するなど、プロデュース作は世界12カ国の国際映画祭で100賞以上を受賞、デビュー作を数多く手がけ、47人の監督と60作品以上に及ぶ。他に『女優霊』(96)『リング/らせん』(98/中田秀夫監督)、『五条霊戦記GOJOE』(00/石井聰亙監督)、『美しい夏キリシマ』(02/黒木和雄監督)、TV版『私立探偵濱マイク』(02)、『接吻』(08/万田邦敏監督)などがある。青山真治監督とはデビュー作『Helpless』、『EUREKA ユリイカ』など7作品、甫木元監督とは『はるねこ』に続く2作目。
    プロデューサー:飯塚 香織いいづか・かおり
    1987年生まれ。東京都出身。これまで制作として関わった作品に『さよなら歌舞伎町』(14/廣木隆一監督)、『日々是好日』(18/大森立嗣監督)、『星の子』(20/大森立嗣監督)、『his』(20/今泉力哉監督)、『FM999』(22/長久允監督)など。プロデューサーとしては、『こちらあみ子』(22/森井勇佑監督)がある。
    クレジット
    監督・脚本・編集:甫木元空
    出演:青木柚 唯野未歩子 前野健太 甫木元尊英
    プロデューサー:仙頭武則 飯塚香織 撮影:米倉伸 照明:平谷里紗 現場録音:川上拓也 音響:菊池信之 助監督:滝野弘仁 音楽:Bialystocks
    製作:ポニーキャニオン 配給:boid/VOICE OF GHOST

    2022年/日本/カラー/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/59分
    ©PONY CANYON